ヲカベ自分騙り

日々膨らむ妄言の具現化。

「100日後に死ぬワニ」の物販を見に行って何も買わなかった話

 

 

どうも、ヲカベです。

 

最近、自粛という言葉がゲシュタルト崩壊して

菊門に見えました。は?

 

 

 


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これが望まれた形かは分かりませんが

世間に多大なるザワめきをもたらした

きくちゆうき先生の「100日後に死ぬワニ」。

 

Twitterでの漫画掲載というのはいろんな方が

手を変え品を変え行ってきた手法でありますが

ひとたび「バズる」と

そのアカウントが有名無名関係なく大きな関心を呼び、

各種メディアに取り上げられることもしばしば。

 

そういった意味では、100ワニという作品は

「決められた死に向かって変わらない日常を送る」という

誰しもが当てはまる本質を柔らかく捉えて形にしたことによって

Twitterという「時間を消化するSNS」に埋没しているユーザーに

大きく刺さったものと思います。

 

かくなる自分も、連載期間中は

18時に更新される霜降り明星YouTubeチャンネルと

19時に更新される100ワニだけが人生の支え、と

仕事や生活の背骨のような存在になっていた一人です。

 

 

故に。

 

 

最終回、迎えたワニの命日。

待ちに待ち望んだ美しい最期を無事にリアルタイムで看取る事ができ

えもいわれぬ感情を押し殺しながらにらめつけていたスマホには

数分後、続々とその先の展望を知らせる通知が。

 

「書籍化、映画化、アーティストコラボ、大量のグッズ販売」

 

素直に、うれしいと思った。

まだコンテンツは終わらないでいてくれる。

まだワニ君を見ていられる。

 

 

自分が、重い腰を上げて

グッズ販売を行っている渋谷ロフトに向かうまでに

ネットではかなりの炎上模様を見せていた。

 

露骨な企業案件から、垣間見える電通の影。

 

ひと通り目を通して、

「はーん、そうだったのかー」くらいの感想を

面白くもなく抱いた自分だったけれども、

正直に言えば「どうでもいい」とさえ思っていたし

「自分には関係のないこと」まで言い切れるほどだった。

 

グッズ売り場に行った日は

すでにコーナーが皮切りになってから幾日か経っていたので

売り切れの商品も多く、寄せ書きもわんさかと寄せられて

昨今の新型肺炎の影響もあってお客さんは閑散としていたが

一時期は人が押し寄せたであろうことが容易に想像できた。

 

キャラクターを模ったキーホルダーやぬいぐるみ、

アパレル、食器、箱入りのお菓子や限定のガチャポン。

そのすべてが、自分の目には「無価値」に映っていた。

 

「現品限り!」「2000円分購入で限定くじ一回!」

お決まりの商魂たくましい文句もどこ吹く風で

何も買いたくないのに、何周も何周も売り場を見た。

そして、全部に納得がいったのを感じてその場を後にした。

 

 

 

100日後に死ぬワニは、自分の中に

きくち先生の手を離れ

けったいな企業の思惑を離れ

あの時間、確かに一つの物語として命を吹き込まれていた。

 

いや、きっとこの世に産み落とされるすべての作品がそうであるように

作り手と受け取り手の相違、あるいは完全なる合致をもって

誰のものでもない「一作品」として歩いていくのだろう。

 

 

 

 

後日、

書籍化は最終回を迎える前に単独で発表されていたので

その時点で注文を入れていたため、少し遅れて手元に届いた。

 

先日のこともあり

既に読むことが怖くなっていた時分だが、読み始めれば

捲る手は止まることなくどんどんと進み

その中でワニくんは色鮮やかに生きて散った。

そして、後日談にまた涙した。

 

 

電通に金を落としたんだな」と嘲笑する人もあったが

自分はそうは思わない。

 

結果はどうあれ、

自分の中で無垢に感情を向けることが出来たのは

やはりコンテンツとしての100ワニというより

このストーリーやキャラクター達だったろう。

 

前述のとおり、

発信側に様々な意図があったとしても

受け取る側にも需要の自由はある。

 

 

 

変に絡める訳ではないが、

現状、未曽有の世界的危機を迎えている中で

様々な情報があの手この手で拡散されている。

その真偽をしっかりと見極めてほしい。

 

何より、一番に言いたいのは

「好き」だと思った物が自信の思いと裏腹に変容して

周りから中傷の的にされたとしても、

それを好きだと思った自分を責めないで欲しい。

 

 

 

 

深夜のおためごかしでした。良しなに。

 

 

先の見えないご時世ですが、

また明るい夜明けが来る日まで、お元気で。