ヲカベ自分騙り

日々膨らむ妄言の具現化。

JOKER 感想 -原作と乖離した出自を描く-

 

 

 

どうも、ヲカベです。

 

最近、眠れない夜が続いていますが

そんな時は昼間寝るようにしました。

 

 

すっかり実家でパラサイト業が板についた私ですが

困ったのは近隣に大きなシネコン等ががないということ。

地元のローカル感溢れる映画館は、

国内公開日より何か月も遅れての公開が約束されています。

 

しばらく、話題作にも飛びつけず

歯がゆい思いをしていましたが、、、ついに、、、

 

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ホアキン・フェニックス主演  「JOKER」

 

見てきちゃいました・・・foo・・・

 

今作は、バットマンの幾多のヴィランの中でも

その恐ろしさとバットマンへの執着心から

人気ナンバーワンの呼び声も高い「ジョーカー」の、

その出自に迫る単独映画となっています。

 

過去に、ジャック・ニコルソンはじめ

名優たちがその魅力を引き出してきたことで

その魔性を銀幕に映してきたきたジョーカー役を、

ホアキン・フェニックスが就任。

 

ホアキンの演技はまさに完璧の一言で、

のちにジョーカーへと変貌を遂げるアーサー・フレックの

精神障害の苦しみ、根っこの優しさ、溢れ出る狂気を見事に演じています。

 

あばらが見えるほどに減量していることや

またCGなのかと錯覚させるような

皴の一つにまで生命が籠った表情作りや体運び、

そして何より作中に何度も聞くアーサーの「笑い声」

これらが観客に人物像を痛いほど焼き付けているのでしょう。

 

 

 

 

ここから下はさらにネタバレを含めて

自分が感じた映画への気持ちを吐露していくので、

今後ご覧になられる方はその後にしておくんなまし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・DCEUや過去のジョーカーとは

           完全に別物な新しい誕生の物語である。

 

 

MCUは「アベンジャーズ/エンドゲーム」で劇的な区切りを迎え

ひと段落したのが先日でした。

 

後発ではありますがDCEUのジャスティスリーグ

自分はかなり好きなので、これからどんどん作品が増えていくことで

世界観が広がるのが楽しみなところですが、

(DCEUは公式ではなくファンによる呼称のようです。)

 

今回のJOKERは「アクアマン(2018)」に次いだ

DCEUの作品群にはまったく関係がないようです。

 

そちらの方は、「スーサイド・スクワッド(2016)」で出演の

ジャレッド・レトー版ジョーカーがカウントされています。

(出番が少なすぎて印象があんまりなのが残念ですが)

 

そして、さらに言えば

ジョーカーの正体はあらゆる形で描かれてきている中で

アーサー・フレックという名前は出てきません。

 

しかるに、この映画は

バットマンヴィラン、ジョーカーを題材にした

全く新しい映画であると言い切っていいと思います。

 

 

 

 

 

・現実と妄想、幻想が交差する中で

 

アーサーは、マンションの同じ階に住む

黒人のシングルマザーとエレベーターで偶然一緒になった後、

彼女を自身が出演するトークショーに呼びデートをするなど

隣人でありながら恋愛関係になります。

 

自分の母が倒れた時も、

そばに付き添い励ましてくれるなど

一見して二人の関係は良好のように見える、ように描かれていました。

 

ところが、母親の偽られていた過去を知り

憔悴の果てにアパートに戻ってきたアーサーは、

拠り所である黒人女性の部屋でソファに腰掛けます。

その彼を見て悲鳴を上げ、「部屋を間違えている。出て行ってほしい」

とおびえた様子で懇願する彼女の様子から、

それまでの二人の思い出はアーサーの妄想であったことが分かります。

 

何の違和感もなく映像に混ぜられているそのフェイクに気づいたとき、

めちゃくちゃ自分は鳥肌が立って鳥になってしまいました。

まさにバードマン。。。(違う)

 

しかし、よくよく考えると

憧れのコメディ司会者に客席から呼ばれ賛辞を受けるシーンなど

すでに妄想が綺麗に繋がれている部分は出てきていたので

私が鈍かっただけかもしれませんが、、、

 

しかし以上を踏まえると、

この映画で描かれていることがアーサーの、もしくは第三者の妄想であって

真実ではない可能性が出てきます。

曖昧にされていることがこの映画に多いことにも合点が行きます。

 

 

 

 

・アーサーはジョーカーではないのでは?

 

最終的に自分が言いたかったのはコレです。

 

主人公アーサー・フレックは、

我々がよく知るジョーカーではなかったんじゃないでしょうか。

 

まず、あまりにもその成り立ちに人間味がありすぎること。

ジョーカーといえば、純度100%の悪であり生粋のサイコパス

バットマンへの歪な愛情を持ちジョークとして犯罪をこなす。

 

正直、この映画を見たら誰だって

「アーサーめっちゃ可哀想、そら悪いこともしちゃうよな。。」

って思ってしまうと思うんですよ。笑

 

そのあたりが、ある意味で

既存のジョーカーのキャラクター像をぶち壊している気もして

その点でちょっと引っ掛かりがあったのですが

 

アーサーはこのまま悪のアイコンとなり、

精神が壊れていくサマを見て感化された者が

真のジョーカーというヴィランとなった。

と考えると、なんとなくしっくりくるような気がします。

 

なにより、

ダークナイトで登場するヒース・レジャー版ジョーカー

(やはりこの時がナンバーワンジョーカー!)のことを考えると、

幼少期のブルースにあっている時点でそこそこの歳なのに

立派なバットマンになった頃にはもうよぼよぼのおじいちゃんのはず。

ジョーカーは引き継がれたと考えるのが妥当ではないでしょうか。

 

 

 

 

その作り方の特性上、

正直これがこの物語の真相です!っていうのは

きっと無いんだろうなとは思うのですが

そんなことに思いをはせながら映画館を後にしました。

 

 

 

 

邪推な考察でしたが、とにかく

圧倒的な演技力で魅せるホアキン

過去の様々な名作映画へのオマージュ、

そして要所で背筋に刺さるストリングスの強烈なBGM

「アメコミ映画って、予備知識無いとつまらないから」と敬遠してる方も

間違いなく今年の洋画史に爪痕を残す作品ですから

ぜひとも劇場に足を運んでいただきたいものです。

 

アメコミ映画の皮をかぶった、

痛烈な社会風刺映画であることを最後に書きとどめて

JOKERの感想とさせていただきます。

 

 

次はYESTERDAY!

 

 

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