ヲカベ自分騙り

日々膨らむ妄言の具現化。

「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」を酷評させてくれ

 

 

 

どうも、ヲカベです。

 

最近、チャーハンを作る時に

創味シャンタンを混ぜると深みが出る事に気づきました。

幼いころに母が作ってくれた家の味が

どうも再現できないなと思っていたのですが、

こんなところにコツがあったんですね。

 

 

幼いころの思い出というのは

忘れてしまうようなことが多々ありますが

ふと、ちょっとしたキッカケでフワッと香ったりして

思い出したりすることもあります。

 

なかでも、

熱中したゲームなんかは

また時折引っ張り出してきては

やり込みたくなるものですが。。

 

 

そんな郷愁の深い所にあるゲーム

ドラゴンクエスト」シリーズ!

なかでも、一番やり込んだのが「キャラバンハート

番外編ですが「スライムもりもり」も大好きでした。

今もスマホのアプリですがライバルズやってます。

 

 

 

そして先日。

満を持して公開になったこちらの映画!

 


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ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」

なんとこの作品、

ナンバリング作品の中でも大人気の

ドラゴンクエスト天空の花嫁 を、

フル3DCGアニメーションで映画化!という

なんとも、、、期待値を上げる、、、作品、、、

 

だったのですが。

 

公開当日の先週金曜日、

仕事終わりに滑り込み鑑賞させて頂いたのですが

「観たかった映画と違う!!!」

という感想がまず胸に込み上げ

そのあと納得できない事があれもこれもと噴出してきて

結果的に作品への大きな怒りへと変貌しました。

りゅうおうの形態変化みたいなもんです。

 

正直、監督の名前を見た時から

見えている地雷ならぬ、

見えているばくだんいわだったのですが

好奇心に負けました、、、そして負けました、、、

 

 

これから鑑賞される方は、

拙ブログの凝り固まった文句には目を通さずに

ピュアな状態で観て頂いて、

いろんな感想を持って頂きたいところですが

「観に行かないけど気になる!」とか

「覚悟してから観に行く!」という方は

良かったらこの後の文章も読んでみてください。

 

バリバリネタバレしてますので、

大丈夫な方のみお進み下さいませ↓

 

 

 

 

 

 

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・良かったところもあるよ

 

さて、前置きといいますか

プロローグ的に。

 

良かったポイントもありますので、

まずはスカラをかけていきたいと思います。

 

①、すぎやまこういち率いる東京都交響楽団の素晴らしい演奏

 

ドラクエ」の音楽と言えば

やはり大巨匠すぎやまこういち先生。

「序曲」「そして伝説へ」「ロトのテーマ」などなど

目を瞑れば風景まで見えてくるような名曲ばかり。。

10-FEETが思い浮かんだ方もいるかもしれませんが。

 

今回はこの映画のために

すぎやま先生指揮の元再録されているという豪華さ!!

また映画館の音響で聴くといっそうの迫力です。

音楽を楽しむために行く、のであれば良いかもしれません!

 

音楽ではありませんが、

かく豪華俳優陣によるCVも

なかなか良かったのではないでしょうか。

サンチョ役のケンコバが凄かったですね。

さすがドラクエ大好き芸人さん

(その時はヤンガスのコスプレしてましたけど)

 

 

②、ぬるぬる動くモンスター達の質感に興奮!

 

3DCGの技術の向上が顕著に現れているのが

モンスター達の質感の再現度です!

 

ベビーパンサーは毛並みの一本一本まで、

ゴーレムはざらっとした岩の風合いが、

キラーマシンは鈍い黒光りの様子まで。。

 

それらが、画面を闊歩して

いきいきとうごいている様は

普段2Dのゲーム画面では味わう事の出来ない感動です。

 

また、それと対峙する勇者一行のアクションも爽快で

「そんなにぽんぽんメラゾーマ出るんだ!?」

と思わなくもないですが、

アクション映像は気持ちがよかったですね。

 

③、フローラとベロニカの造形めちゃ可愛い!!

 

花嫁問題。

Ⅴ既プレイの方々なら皆通る道ですし

いまだにその論争の根は深い二大ヒロインです。

鳥山絵の二人も相当に可愛かったですが

今回のルックスもヲカベ的にはバッチリでした。

 

声を演じていた女優おふたりも

それぞれにキャラを理解して下さっていたようです。

耳が幸せな映画ですね、、、耳が、、、耳は、、、

 

 

 

 

などなど。。あるんですが、、、

 

結局、褒められるのは音楽とか、映像とか、

作品の外側部分ばっかりなんですよね。

コレが何を示しているか。

 

 

・シナリオがクソすぎた!!!

 

もうとにかくまずこれです。

もちろん、

総プレイ時間が40時間とも50時間とも言われている

壮大な大河ドラマであるⅤを、映画の100分ちょっとの尺に収めるには

かなり大胆な間引きが必要になる事は予想がつきますし、

そのために多少オリジナルの筋を曲げる事もあるでしょう。

 

 

・・・それでも!!!

今回のユアストーリーという映画は

そういった今までの人気原作を映画化する作品とは

一線を画した劣悪なシナリオが用意されています。

 

 

映画を見ていて、

気持悪いなと思っていた部分をまず箇条書きで上げていくと

 

・リュカ幼年期の頃の冒険は、パパス死亡の件までほぼダイジェスト

 (そのためビアンカとの思い出は伝わらずドラゴンオーブの扱いは軽すぎる)

・妙に「ヤバい」を連呼する主人公の言葉づかいが世界観に合わない

・結婚相手を選ぶときの謎の演出(後述します)

・重要なアイテムや人物の場所が謎解きゼロで

   なんとなく教えられる

・「妖精に助けてもらうには1人で挑まないといけないよ!」「妖精は機械に守られているよ!」という唐突な設定(プサンが「今回はそういう事なんだ」という謎のメタ発言をする)

 

などなどetc...

 

 

 

特に1番気持ち悪かったのが、

 

結婚相手を選ぶ場面で、当初はフローラを選び

結婚するんだ〜と浮かれていたのですが

「本当に大切な人は、何でも言い合える背中を任せられる人なんだ!」という事に気付き

共に戦ってきたビアンカを選び、求婚する。

 

という、この文面だと

なんだかいい話のようにも見えるのですが

大前提として、この主人公の気付きの為には

ビアンカと乗り越えてきた数々の試練ー

という背景があってこそ、

我々に感情移入をもたらすハズなんですが

 

ダイジェストでしか語られておらず

ブオーン戦くらいしか描かれていないので

そんなに支え合えていたのか分からない

 

という大きな障害があります。

 

そして、さらに酷いのが

なぜその事に気付いたかというのが

 

「本心に気付く薬」を飲んだから気付いた

 

という、感情の動きなどではない

機械的な理由なのが最悪です。

 

この部分で、フローラとビアンカの間で揺れる

恋模様を描きたかったんでしょうが、、、

この関係のどこにも感情がありません。

 

 

 

そして、

ここからが本題なんですけど。

 

なぜ、そんな事がまかり通るのか、というのが

後半、映画のラストに起こる驚愕の事件により

今まで気持ち悪いと思っていた違和感が

全部解消されて、その代わり

「なぜこんな映画を観せられているのか?」

という制作陣への不信感へと変貌します。

 

 

 

・「これはゲームの世界を疑似体験しているサラリーマンの話だったのだーーーーー!」「な、なんだってー()」

 

 

 

、、、はい。

 

 

見事、宿敵ゲマを親子パワーで倒し

ミルドラースが人間界に降臨する事を阻止した

主人公一行、、、と思いきや!

 

魔界の門は既に開かれており、

ミルドラースが現れてしまう、、、、、、ん?

 

 

突然、主人公はスタンド能力に目覚め

ザ・ワールドを発動し時を止めてしまいます。

 

ミルドラースに対峙する訳なんですが

 

これが、我々の脳裏に浮かぶ

ピンクでデカくて醜悪な見た目の

あの、見た目ではなく

なんというか、デジモンみたいなんです。

無機質でのっぺらとしていて。

 

すると、そのミルドラース

こんな事を口走ります。

 

「私はこのゲームの世界に侵入したウイルスだよ」

 

はっはっは、なぁんだウイルスか

そら仕方ない、、、

 

 

 

、、、、、、えっ???????????

 

 

 

この展開には、

本当に本当に本当に思考が止まってしまって

そこからスタッフロールが流れきって

場内が明るくなるまで、

口を開けたまま硬直していました。マジで。

 

 

 

主人公ことリュカは、幼少期にドラクエにハマり

Ⅴの世界を疑似体験出来るゲームが発表され

いてもたってもいられなくなって

プレイを楽しんでいる、一般人でした。

 

今まで見ていたのは、

Ⅴのシナリオを映像化したものではなく

彼による実況プレイだったのです。

 

どうやら、この超テクVRゲームは

より深い没入感を得てもらうために

プレイヤーの現世での記憶を奪い

あたかも本当に自分が主人公なのかのように

振る舞うことが出来るという設定。

 

 

そうです。

 

今まで、違和感に感じたり

機械的で理不尽に思えたりしたこと

なんでそんなルールが存在するのかと

疑念を抱きながら見ていたものは、

たった一言

 

「ゲームの世界だから。」

 

で片付けられてしまうのです。。

 

 

そんなのアリ??

 

 

ゆえに、例えば先程あげた

結婚相手を選ぶ流れというのも

「いつもビアンカを選んでしまっていたから、今回こそはフローラを選ぶように自己暗示プログラムをかける!」というゲームのシステムがあったために、フローラと結婚しようとしていたけどそのプログラムが打破されたからビアンカ選んだよっていうシステム進行ですから、みたいな話なんですわ。支離滅裂か自分。

 

 

 

これは改悪というか、

なんでこんなシナリオを

スクエニ側が許したのかが本当に理解できない。

 

 

 

 

さ!ら!に!!

 

このラスボスは、

ゲーム世界のテクスチャを剥ぎ取って

ポリゴンもすべて分解した挙句

主人公をゲーム世界から追い出そうとします。

 

 

その際に放ったセリフが、

 

「もう、大人になれよ」

 

 

はああああああぁぁぁぁああああああ!?!?

なんなんだコイツは!!!!

っていうかコイツを作ったやつはああああ!!??

 

 

大きなお世話なんだが?ホンマに。

 

 

 

このクソボスは、

主人公に語りかける形を取りながら

スクリーンの前に座る観客に

「ゲームに感情移入して大人になってもそれを忘れられないなんて終わってるから早く辞めちまえよ」

と説教をかましてくるわけです。

 

 

え、なんで?

 

大好きなドラクエの映画だって聞いたから

楽しみで見に来たのに、

なんでそんないわれのない誹謗中傷を受けるの?

 

しかも、ドラクエ側からさ。

 

 

 

 

もちろん、

「それは間違ってる!確かにキャラは自分の中で生きているし冒険の思い出は僕を支えているんだ!」

 

って主人公がボスを倒すことで

その意見を跳ね除けるエンドなのは分かります。

 

 

でも、だからと言って

その前段階の暴言が無くなるわけでもないし

本当になんてものを見せてくれるんだ、と。

 

 

 

 

ボスを倒す際の演出で、

スラりん(cv.山寺宏一)が

実はこの世界を守るためのワクチンなんだ!

と話しかけて来て(またもご都合展開)

スライムはロトの剣に姿を変えて、

リュカはそれを手にウイルスを消し去ります。

 

 

ドラクエを象徴するモンスター、スライム。

ドラクエを象徴する武器、ロトの剣

 

その2つがこの世界を守ってくれたんだぜ、、っ!

 

 

って言われても、

もはや寒いとしか思えませんでした。

 

 

 

・ぼうけんはおわった

 

熱くなってしまいました。

文章破綻してたらすんません。

 

 

 

近年、色んなメディアで

「メタいこと」が流行ってる気がします。

 

時にそれは、

作品の根幹を問いかけることで

より深みを増したり、

消費者側に考える時間を作る事で

いっそう没頭できる土壌を作る

いい意味で使われているパターンもあるでしょう。

 

 

 

しかしながら。

 

このドラクエⅤという

愛されたタイトルを用いて

その手法にわざわざ舵を切らなくても

十分魅力的な作品になったと思います。

 

 

商業的にただ作りたいだけの映画は

もう観たくないです。

作品が好きな制作陣が集まって

じっくりと、満足の行くものにして欲しい。

 

ユア・ストーリー、なんて

押し付けがましいタイトルじゃなくていいんです。

 

 

 

ある意味本当に衝撃的で記憶に残る映画でした。

 

 

、、、早く忘れたい。

 

 

終演後の地獄のような空気も含めて、

これから観に行かれる方は

 

「ぬわーーっ!!

 

 

ってならないように頑張って下さい。。