ヲカベ自分騙り

日々膨らむ妄言の具現化。

【写真録】塩田千春展~魂がふるえる~ @森美術館

 

 

 

どうも、ヲカベです。

 

最近、かりんとう芋けんぴが食べたいなと思っていたら

お菓子棚に「芋けんぴかりんとう」を見つけて事なきを得ました。

 

 

九月、「可能な限り何もしない」を全力で行い

ひたすらに英気を養っておりました。

 

何もないってのは本当にすごいことで、

自分で動かなければ何も起こりません(当たり前)。

自由にできる時間があるということは、

実は不自由なんじゃないか?という所にまで思考が発展したところで

「自分にとってプラスになる物事を見に行きたい!」と思い立ち

 

初めて行ってきました、六本木ヒルズ

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いやー見上げるとでかい!

都会の人たちはこの左に見切れてる巨蜘蛛のオブジェの足元で

捕食されるかもなドキドキと恋愛のドキドキを混同させることで

吊り橋効果的なsomethingを狙っているんだそうです。嘘です。

 

 

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見えてきた森美術館の階段を上っていきまして、

そうするともうこの垂れ幕で見えてますね!お目当てが!

 

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「塩田千春展 〜魂がふるえる〜」

震えたか?震えなかったか?んなこたぁ聞いたら野暮。

てな訳で本当に凄かった展示の写真をこっから載せていきますけど、
27日までやってるので!この興奮を直に楽しみたい方!

まだ間に合うから行っておいでホンマに。

 

 

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まず、本会場に上がっていくエスカレーター前にコレ。

初っ端から度肝をぶち抜いてきます。

今展、質量にまず圧倒される部分あります(素人丸出し)

 

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さぁ本編始まりましたコチラ。

もうね、アート史上1番赤いといっても過言ではない。

シャアより赤い。シャアはアートだもんな。

 

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船から赤い糸が出ている様は、

「船旅から生まれる人間関係」を表しているそうです。

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「糸」は塩田さんの表現の重要なパーツなのがこの作品で伺えます。

絡まる糸もとても妖艶。

 

 

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初っ端の大作品を抜けると、次からのコーナーは

塩田さんの生誕から今日までの作品傾向の遍歴が始まります。

その最初の展示はなんと「幼稚園での写真」という事でんきゃんわいい〜❤️

しかも、ただ可愛いだけじゃないっす。

なんと、絵筆でぷにほっぺたにぶちゅっとカラーリング💋

この頃から「自分自身を作品に」という意欲が芽生えたのでしょう。。

 

そうして、芸大へ進学した当初は絵を専攻されていたそうですが

段々と超越していき、自分を作品に埋没させていったそうです。

その初期作品が、コチラ。

 

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ほっぺたではとどまれん!!!

 

色々な想像をしてしまう作品ですが、迫力の前にとても美しいです。

バックのキャンバスと塩田さんが纏っているキャンバス、

それを繋ぐ赤い塗料の生命力の強さがとても魅力的に感じます。

それは同時に、本人の生命力にも繋がるのでしょうか。

 

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絵を描く上での「線を引く」という行為が楽しめなくなってしまった塩田さんは

庭に落ちていた豆の殻で線を引いてみたそうです。

これは大きな作品の一部分ですが本質的な興味を唆られます。

 

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天井から垂らした黒い糸から赤いペンキを滴らせることで、

不規則の中に規則性を生み出すと言うこの作品。

グロテスクにも見えますが、なぜか空間を強く意識させられます。

 

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かと思っていたら急に、「親戚の顔」、この緩急よ。

この作品にも、見えない血族の「血の繋がり」が主題となっています。

 

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これも凄い作品です、写真展示の中で1番現物を見たかったなと思いました。

7mの汚れたドレスにシャワーを当て、常に雫が垂れているという構造。

ドレスは身体の不在を表し、皮膚の記憶はどれだけ洗っても洗い流す事はできない。

当事者と外界との繋がりと言う事でしょうか。

 

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はてさて、生い立ちのコーナーを過ぎて中盤へ差し掛かります。

ここでも赤が効果的に出てきます。説明にある通りでしょう。

 

全体的に生々しいモノが多い中でホッとする展示も。

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これまでの塩田さんの作品や関連してきた物品のミニチュア。

そして窓の向こうには東京の街が広がっています。

東京のビル群すらもミニチュアの仲間に巻き込む小さいながらもスケールの大きな作品。

 

 

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これ、大本命です。

これが見たくて来たまで言い切れます。

「静けさのなかで」

 

正直、塩田さん全然存じ上げていなくて

ただ周りの人があんまりにも行くし絶賛なものですから

いつものミーハー心で行ってきたのが正直な動機です。

 

そんな先人達の感想や写真を見るに、これは凄そう。。。と生唾を飲み込み

そのあとビールも飲みたかったところじゃんね。は?

 

あのね、目の前に広がるのはやっぱすげーよ。

何にも言えなくなる。言いたくなくなる。言っても無駄。

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絶句ものですがディテールも惹きつけられ、

その根幹は静謐であると強く焼き付きました。

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その後も絵などを見ていき、その果てにたどり着くのが

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コチラの「集積」という作品。

天から伸びた赤い糸の先には無数の旅行カバンが。

そして、静止画だと伝わらないのですが

いくつかのカバンは絶えず動いているのです。揺れてる。

 

その規模とルックスの圧倒感で不気味さも無いとは言えないのですが

自分的には何でしょう、見ていてとてもワクワクするというか

希望やポジティブな感情がカバンに詰まっているような気がして好きだなと思いました。

 

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ちなみに下から見た図。やっぱこわ、、、

 

 

 

そんなこんなでいくつかの作品を紹介させてもらいながら

好き勝手言いましたが、本当に生で触れてほしい!

 

以前、松本で草間彌生さんの個展に行った時も感じましたが

塩田さんはきっとお仕事として作品を作っているわけではなく

それが生きる循環の中に組み込まれていて、

呼吸をする事と同じくらい大切なんだろうと思いました。

 

そうして生きるために生み出してきた物が

他者に影響を及ぼすほどのパワーを持っている。。。

 

生命力の大きさに打ちひしがれる事ができたぜい。

 

紹介しきれなかった写真を少し↓

 

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帰り際にヒルズから見下ろす絶景も楽しめました。

東京は本当に美しいですね。。


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芸術が人に与える印象は様々だと思うので

「お前が言ってる事は間違っている!」と言う方も

もちろんいらっしゃると思いますが勉強不足という事でどうかご容赦を。

 

 

あと10日間!

ヲカベのクソ説明でも興味を持ってくださった方は是非!